孤独と光

ある男性のお話が、ずっと心に残っています。それは、孤独を抜け出た方法であり、ご自身が前に進むための方法でした。

その男性(Sさん)は終戦した時、シベリア抑留という経験をされるのですが、その時、外部との接触が断たれた独房での生活が待っていと言います。
発狂してもおかしくないほどの孤独がSさんを襲います。

そこで小さな石を拾い、外からは見えない壁に観音像を石で描きます。普通、急に観音像を書いてくださいと言われても、簡単ではないように思うのですが、幼少時に母親から観世音菩薩の教えが彼を動かしたのでしょう。

Sさんは独房の中で自身が描いた観音像を見ながら、母の教え通り観世音菩薩の名前を呼び続けたそうです。

やがて、孤独と苦しみが支配していた心の中に一つの光が見えてきたと言います。
さらに光は次第に大きくなっていったそうです。

 

こうして、Sさんは光に救われ、現状を乗り越え、日本に帰還します。

その後のご活躍は目を見張るものがありますが、その活躍のベースになっているものは、と考えると光の存在を感じずにはいられません。